Nゲージ 南海のサハ4801  【2020年12月発売】


K1903 南海のサハ4801 組み立てキット(屋根・床板付属)  [\4,800+税] 
※台車のほか、ベンチレーターや床下機器などのパーツが別売となります。(別途購入品参照)

●国鉄スハ43と一見似ていながら大きく異なる外観と、緑色の車体色が特徴のサハ4801を模型化。
●扉形態は登場時と、後年の取替え後(写真)を選択可能。
●扉を開けた状態としても組めるデッキ構造を採用。
●本製品はハンダ付け推奨ですが、瞬間接着剤・ゴム系接着剤の併用でも組立てできます。

写真の組立例は、最も手軽に組んだ状態です。(付属品や別売品のグレードアップパーツは未取付)
この場合は雨樋などの取付が不要で、デッキ周りの構成も簡素なので、車体の組み立ては他の客車キットよりも容易にできます。

サハ4801の窓配置は国鉄スハ43と同一ですが、車体側面の縦方向の寸法が異なるため、屋根や台車以外についても印象が大きく変わりました。
組立例はデッキ扉の取替え後で、前後で異なる形の扉となっています。



未塗装完成状態です。
サハ4801の大きな特徴のランボードや、貫通幌の煙侵入防止カバー、台車に貼り付けるクラスプ式ブレーキ部品も付属します。
床板は、台車中心間距離が国鉄客車より500ミリ短く(1/150で3.3ミリ)、台車位置がかなり内側になる特徴を再現するため、専用品としています。
※ランボード足の曲げ部の強度が弱い場合、足を直角に曲げた後にハンダや瞬間接着剤などを曲げ部に流して補強してください。


本製品の内容です。
屋根はGM製101系電車用が付属します。(他キットと同様、ネジでの車体への取付可能)
説明書にはランボード取付穴・ベンチレーター穴の原寸図を載せているので、それを切り出して屋根裏側に乗せることで容易に穴あけができます。
デッキ扉は、手軽に組むための扉枠一体の閉状態用(内板の右下)と、立体感重視で扉開け状態にもできる扉枠(内板の左内側)と扉(内板の左下)が付属します。
(組立例は前者を取付)
そのほか、妻面雨樋管などの立体感を増すための別付け部品が含まれるので、別売の「K3106 雨樋(t0.15幅狭)」と併せ、お好みで取付できます。



 ■別途購入品
【床下機器】
 K4034 客車床下機器セット (2輌分入)
【ベンチレーター】
 K4022 10系寝台用半ガラ (36ヶ入)
【デッキ上の等級表示灯】
 K4008 等級表示灯 丸屋根・切妻用 
【台車】
◆登場時  GM製<5002>TR11 または <5018>DT10
 ○GM製TR11とDT10の違いはカプラーの首の長さのみですが、アーノルドカプラーとする場合はTR11でないと連結不可になります
 ○カトーカプラーとする場合、カプラーポケットを本キット付属の部品で延長するので、どちらでも支障ありません
  (この場合、カトーカプラーN JP B(11-722)を使用)
◆昭和38年以降  GM製<5035-1>DT22ロング
 ○アーノルドカプラー、または カトーカプラーN JP B(11-722)使用の場合は、カプラーポケットの短い <5035>DT22 でも可

【インレタ】
 K3601 私鉄客車他インレタ1
【内装】
 K4005 普通車用ボックスシート (2輌分入)
【幌】
 GM製<8612>貫通幌(客車・旧国型 グレー)
 または GM製<8611>貫通幌(客車・旧国型 ブラック)
【窓セル】
 透明プラ板、塩ビ板など

(以下は任意)
【屋根取付ネジ】
 エコー製 B1421S ナベ頭 M1.4×2mm長 (20本入)
 入手困難な方にはキングス製ネジもご用意しました。
  →K3101 屋根取付ネジ(M1.4×2mmネジ(1種)) (10本入) 
【雨樋】(グレードアップ用の別付雨樋)
  K3106 雨樋(t0.15幅狭) オハ35鋼板屋根他用



 サハ4801形は、南海〜国鉄の南紀直通列車用として昭和27年5月に1輌が製造されました。国鉄側から、国鉄の3等車に準ずることが求められたため、基本的にスハ43形に準じたものとなり、外観的にも窓配置はそれと同一で完全切妻と一見似ていますが、やや低めの屋根に、ほぼ全長にわたる2本のランボード、その横に片側ベンチレーターが並び、車体色は南海の電車と同じグリーンと、独特なものとなっています。また、車体の縦方向の寸法や台車中心間距離も国鉄客車とはかなり異なるため、車体色や屋根、台車の差異以外の面でもスハ43とは印象が大きく変化しています。
車内設備については、腰掛間隔はスハ43形と同一とされたものの、側窓高さの半ばほどに届く高い背摺、当時としては優等車でも稀だった蛍光灯、白とローズグレイの明るい内装色などに独自性が見られました。
 台車は当初、日車DY16(TR11と同系)でしたが、昭和38年12月に新製のTR51N(気動車のDT22Aと同系)に取替えられました。また、それより前に出入台扉の取替えも行なわれ、スハ43と同じ形の鋼製扉から、扉下部プレス凹みのない独自形状に変わり、前後で異なる扉形態となりました。
 サハ4801は、週末運転の天王寺−白浜口間快速「黒潮」(後に準急「くろしお」→「しらはま」)を主体に、天王寺−新宮間夜行普通列車1往復にも併結して使用され、サハ4801は南海線内の難波−和歌山市で2001形牽引(基本的に2M1T)(昭和45年7月から1551形4M、後に3M1T)、和歌山市−東和歌山は国鉄の機関車が牽引し(昭和32年頃の「黒潮」はC58でサハ1輌のみ牽引)、東和歌山にて前記列車に併結されていました。なお、この運用は1輌では不足するため、国鉄のオハフ33なども借り入れて使用されました。
 昭和36年2月からは、夜行普通列車で新宮に到着後、昼行の準急「南紀」2号で折り返しに変わりました。43年3月に週末急行「しらはま」と急行「南紀」2号が気動車化されたため、サハ4801の運用は新宮行き夜行普通11列車(国鉄線内924列車。後年の普通「南紀」→「はやたま」)と、折り返しの昼行普通12列車(国鉄線内123列車)のみとなって、検査時以外は基本的にサハ4801の1輌で運用可能となりました。
 新宮行き夜行普通列車は昭和43年7月から寝台車(オハネフ12等)の連結が開始されましたが、47年3月に難波駅の改良工事で機回し線が廃止されたため南紀直通客車列車は消滅し、サハ4801も廃車となりました。



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