Nゲージ スハシ38 1〜


K1048 スハシ38 1〜 組み立てキット  [\3,400+税]  【2019年12月発売】 

元マイシ37900のスハシ38 1〜5を模型化、厳密には、スハシ38改造時にリベットが大幅に減少したスハシ38 1・2としています。
(スハシ38 3・4のリベット詳細は不明、スハシ38 5は大部分が残存)
出入台扉は、写真の鋼製プレス扉とHゴム支持窓付扉が付属します。



組立例は、急行「玄海」「十和田」で使用されてた頃の、ぶどう色1号のスハシ38 1としています。


◆車体(妻板以外)と雨樋、明り窓、車内の仕切は真鍮エッチング板で、本製品に付属します。
◆妻板・屋根・床板、床下機器、ベンチレーターはプラ製で、別途購入品になります。
●スハシ38 1〜は、過去にキングスホビーで製品化していましたが、最近の客車製品と同様、組み立てやすさ向上などの改良をしました。
・車体と屋根をネジ止めも可能な構造。(ネジは別売)
・車体外板と内板の貼り合わせの際の位置決めガイドを設けるなど、組み立てやすさにも配慮。
●本製品はハンダ付け推奨ですが、瞬間接着剤・ゴム系接着剤の併用でも組立てできます。
●側板デッキ閉塞部の曲げ部に、Pカッター(プラスチックカッター)でスジ掘りが必要ですが、周囲のランナーに位置決めガイドを付けています。
また、スジ彫り練習用板(側板端部に似た形状)が付属するので、先にそちらで練習できます。


調理室・乗客専務車掌室などの仕切が付属します。
また、プラ内装部品「K4013 食堂車テーブル・イス」「K4005 普通車用ボックスシート」を取付けました。(白い部品)



別途購入品
【屋根・妻板・床板・ベンチレーター】
 K4036 二重屋根客車プラパーツセット (各2輌分入) 
【床下機器】
 K4034 客車床下機器セット (2輌分入)
【台車】
 K3059 プラ床板用TR71台車 (スハシ38 1〜3)
 K3060 プラ床板用TR73台車 (スハシ38 4・5)
●各社 片側絶縁車輪 6ヶ必要 (中空軸車輪の場合、台車側梁と枕梁の間をテープ等で絶縁し、台車片側は「K3502 プラネジ」で固定)
●各種カプラー   いずれか2ヶ必要
  KATO製 カトーカプラーN(黒) 11-702(20ヶ入)
         マグネマティックカプラーMT10 11-711(4ヶ入)
  GM または KATO製 アーノルドカプラー(要スプリング)
【内装】
 K4005 普通車用ボックスシート
 K4013 食堂車テーブル・イス
【幌】 GM製 (8611) 貫通幌(客車・旧国型 ブラック) (10ヶ入)
【窓セル】  透明プラ板、塩ビ板など
【インレタ】 
 □形式   K3080 W座席車・食堂車インレタ (スハシ38 1用 1輌分入)          
 □窓下の標記類  K3065 等級標記他インレタ(白)
(任意) 【屋根取付ネジ】
 エコー製 B1421S ナベ頭 M1.4×2mm長 (20本入) ※屋根を接着で固定する場合は不要
 入手困難な方にはキングス製ネジもご用意しました。 →K3101 屋根取付ネジ(M1.4×2mmネジ(1種)) (10本入)



 スハシ38 1〜は、昭和6年にマイシ37900形として登場し、昭和28年にスハシ38 1〜5となった形式です。マイシ37900形は、九州内の急行用として5両が製造された一等座席と食堂の合造車で、一等室には二等車よりも一人当たりの幅を広くとった転換式腰掛(両端は固定式腰掛)が設けられ、座席定員は13人でした。食堂・調理室は基本的にスシ37740形を縮小した配置で、食堂定員は18人となっています。なお、マイシ37900〜37902の床下の水槽は従来と同じカマボコ形でしたが、マイシ37903・37904では、後に登場する丸屋根客車と同様の平形に変更されました。
 マイシ37900形の登場後は、九州内の急行で使用されましたが、昭和9年12月に主要幹線以外の一等車連結が中止されたため、昭和10年12月・11年3月にマロシ37900形に格下げとなり、その後は山陰と北海道内の急行で使用され、昭和16年にはマロシ37形に形式変更されました。昭和19年7月〜10月には戦時改造で、調理室付三等車のマハ49形(形式標記は小文字で「シ」の記号付でマハシ49、戦後のマハ49 1では「シ」も大きく標記)となりました。
 戦後もしばらくはマハ49形のまま使用されていましたが、昭和28年3月〜6月に三等座席・食堂合造車に改造され、スハシ38 1〜5となりました。昭和24〜27年に元スロシ38000形などを改造したスハシ37形(→スハシ29形)では、三等の定員は24人でしたが、スハシ38形では元二等室の食堂側の側窓2つ分に食堂従事員室と乗客専務車掌室を設けたため、三等の定員は16人に減少しました。この三等室は当時最新の三等車スハ43形に準じたものとなっています。この改造の際に外観も変化し、調理室側の扉状の部分が塞がれたほか、出入台扉がスハ43形と同じ鋼製扉に取替えられました(元マイシ37900形の全車と推定)。また、スハシ38 1〜3は、同時期に食堂車へ復元改造したスシ48 1〜3と台車を交換したため、TR74台車(TR71とほぼ同形)に変わりました。このため、結果的にカマボコ形水槽のスハシ38 1〜3はTR74台車、平形水槽のスハシ38 4・5がTR73台車となっています。そのほか、スハシ38 1・2では車体のリベットの大半が消滅している点も目立ちます(スハシ38 5のリベットは大部分が残存。スハシ38 3・4については不明)。

 元マイシ37900形のスハシ38形は、主に東北方面の急行列車で使用されましたが、スハシ38 1〜3と4・5の配置・運用は終始別々のものとなりました。
 スハシ38 1〜3は、昭和31年11月まで急行「玄海」で、その後は急行「十和田」で使用されましたが、昭和35年6月頃にはスシ28形に置き換えられ、昭和36年3月31日にスハシ38 2・3が廃車となり、スハシ38 1はその後もしばらくの間尾久に配置されていましたが、昭和37年11月20日に廃車となりました。
 スハシ38 4・5は、昭和33年10月までは急行「北斗」で、以後は急行「吾妻」「松島」で使用されましたが、昭和34年夏頃にはスハシ38 4が函館に転属して、急行「大雪」「アカシヤ」「まりも」「すずらん」「石狩」で使用されるようになりました。その後、スハシ38 5は昭和35年頃にオシ17形に置き換えられ、昭和36年3月31日に廃車されました。元マイシ37900形として最後まで残ったスハシ38 4は、引き続き「大雪」「石狩」などで使用されましたが、昭和38年12月26日に廃車となりました。




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