新仕様二重屋根客車(PEWシリーズ)の構成はこちらをご覧ください。


PEWシリーズ
■スヤ32 1+スヤ52 4


PW-1082 T 台車別・トータルキット 2006年12月発売
\9,450 (本体 \9,000)
SPW-1082 完成品 2007年4月発売
\40,950 (本体 \39,000)
当店のみ販売

※写真は全て試作品です。
 写真ではスヤ32 1前位側(展望側)妻面の縦樋は真鍮線を使用していますが、実際の製品ではエッチング表現となります。

スヤ32 1 公式側
この側は非公式側よりもスハ32当時の原形をとどめていますが、密閉式展望室を備えた前位側(上写真左側)が目を引きます。



スヤ32 1 非公式側
この側は窓を塞いだ箇所が多く、スハ32の改造とはわかりづらいですが、塞がれた窓はいずれも吹寄(窓柱)を残す形と
なっているため、元の窓配置をうかがい知ることは出来ます。
このため、製品の側板はスハ32と全く同一の窓配置となっていますが、密閉式展望室側の側板がわずかに延長されているため、
専用のエッチング板としています。



スヤ32 1 非公式側中央部
温気暖房装置(写真右下)は真鍮エッチング板製部品で再現しました。
また、屋根の煙突周辺部も真鍮エッチング板製部品で再現しています(※煙突自体の表現は省略しています)


スヤ52 4 公式側
この側はスロ52当時の大差ない形態となっています。



スヤ52 4 非公式側
この側はスロ52当時と較べ、Hゴム小窓化やルーバーの設置などで大幅に変化しています。


スヤ52 4 非公式側中央部
温気暖房装置(写真下)は真鍮エッチング板製部品で再現、スヤ52 4の温気暖房ダクトは、台車間のほぼ全長に渡る
長いものとなっています。
また、窓枠は車体色ながら、スロ52当時の近代化改造でアルミサッシ化されたため、スヤ32 1よりも細いものとなっています。


左:スヤ32 1前位側  右:スヤ52 4後位側
この側はいずれも特徴的な形態となっています。
スヤ32 1は、スヤ32 1と同じく元特別職用車のスヤ32 2やマイフ97、マヤ38 51などと同様の密閉式展望室構造と
なっていますが、窓の縦寸法は小さいものとなっています。製品のこの側の妻板は真鍮エッチング板製としています。
また、スヤ32 1のこの側の側扉は屋根の絞りにそった形で斜めに取付けられています。



左:スヤ32 1後位側  右:スヤ52 4前位側
この側は原形と較べ、変化は少ないですが、スヤ32 1は貫通扉・テールライトの取付が行われています。
※スヤ32 1の貫通扉形態は不明のため、他の特別職用車とその改造車を参考にしています。
 キットには、写真の窓ありの扉と、窓を塞いだ形態の2種が付属します。※完成品は写真と異なる、窓を塞いだ形態となります。


燃料タンク 左:真鍮エッチング板組立(スヤ32 1)  右:プラ水タンク短縮(スヤ52 4)
スヤ32 1とスヤ52 4のいずれも、床下に温気暖房用の燃料タンクが備えられていますが、キットは真鍮エッチング板製部品
組立(要折曲げ)と、プラ製水タンクの短縮で製作する方法のいずれかを選択できます。
※完成品は真鍮エッチング板製部品となります。

製品の特徴
■特別軍用客車、特別職用車、試験車を経て保健車となり、昭和52年に廃車となるまで使用されたスヤ32 1(元スハ32)と、共に使用された
 スヤ52 4(元スロ52)を製品化。
■スヤ32 1は昭和45年の改造後の形態で、元展望室の妻面、Hゴム支持化された側窓、塞がれた側窓、床下の温気暖房機などの特徴を再現。
■スヤ52 4は貫通路の塞がれた妻面、Hゴム支持化された側窓、床下の温気暖房機などの特徴を再現。
 また、通常の窓枠より細い、アルミサッシを車体色で塗り潰した窓枠も再現。
■側板・妻板(スヤ32後位以外)・温気暖房機は真鍮エッチング板、スヤ32後位側妻板・屋根・床板・ベンチレーターはプラパーツの構成。
 キットの床下燃料タンクは、真鍮エッチング板製部品(要折曲げ)と、プラ製水タンクの短縮(タンク妻面塞ぎ板付属)から選択可。
※スヤ32 1の前位側妻板は真鍮エッチング板製で、妻板各部の曲げ、雨樋の取付などの工作が必要なため、他のPEWシリーズ(プラ屋根・床板客車)
 製品よりも組立は難しいものとなっています。


[別途購入品(キット)]
GM製
 ●TR23台車 5024
 ●GM TR47台車 5003
当社製インレタ
 ●KP-076 W荷物車インレタ
その他、編成最後部のみに連結する場合は「KPP-019 端梁・アンチクライマー」の取付が可能です(アンチクライマーはスヤ32 1のみ取付)


 スヤ32 1は、昭和5年にスハ32600形として登場し、複雑な経歴を辿った後に昭和28年にスヤ32 1(試験車)となり、昭和36年に保健車に改造された形式です。この形式の経歴は以下の通りです。
  昭和5年3月  スハ32702  三等車
  昭和16年11月 スハ32 103  三等車(形式変更)→昭和21年7月、連合軍に接収
  昭和21年8月  オイ31 15  クラブ車(改造)
  昭和22年6月  オイネ31 51 特別車(改造)  →昭和24年3月、接収解除
  昭和25年1月  スヤ51 18  特別職用車(改造)
  昭和28年3月  スヤ32 1   試験車(車種・形式変更)
  昭和36年3月  スヤ32 1   保健車(改造)
 登場時は一般的な三等車でしたが、昭和21年7月に連合軍に接収された後は、他のスハ32形と一線を画した経歴を辿る事になりました。昭和21年8月に連合軍専用列車用のクラブ車となった後も、車内を中心に幾度か改造が行われ、接収解除後に札幌鉄道管理局用の特別職用車スヤ51 18に改造された際、前位側に密閉式展望設備を備える会議室が設けられ、同じく特別職用車となったスヤ51 1(後のマイフ97 1)やマヤ57 1(後のマヤ38 51)などと共に、特異な形態となりましたが、スヤ32 1の展望室窓はスヤ51 1などと較べ、窓高さが小さい事が特徴でした。
 昭和28年3月には特別職用車の廃止に伴って試験車スヤ32 1となりましたが、とくに改造はされず、標記の変更のみ行われたようです。
 昭和36年3月には診察室やレントゲン室等を設けて、鉄道職員の巡回診療・保健検査用の保健車に改造されましたが形式の変更はなく、その後、昭和40年10月16日の車両塗色及び標記方式規定の一部改正後、それまでのぶどう色から、青15号に黄5号帯の塗色へ変更されましたが、二重屋根客車の青塗色化は非常に珍しいものでした。
 昭和45年11月には、再び車内の改造が行われ、形態的にも一部側窓のHゴム支持化や窓閉塞などで大きく変化し、この改造後は同時期に改造されたスヤ52 4と連結して使用されるようになりました。
 スヤ32 1は試験車時代から保健車時代を通じて、終始北海道で使用されましたが、昭和52年1月に廃車となりました。

 スヤ52 4は、昭和25年10月に特別2等車スロ51 53として登場し、昭和28年12月に北海道用に改造されてスロ52 9となり北海道の急行に使用された後、昭和45年11月に保健車スヤ52 4となった形式です。
 保健車への改造で、公式側の形態は側窓が1ヶ所埋められた程度で、比較的原形をとどめていましたが、非公式側は側窓4ヶ所が小形のHゴム支持窓化され、ルーバーが設けられるなどして大きく変化しています。また、デッキ側の貫通路は塞がれ、Hゴム支持の小窓が設けられました。
 スヤ52 4は前記のようにスヤ32 1と連結して使用され、昭和52年1月のスヤ32 1の廃車に伴い、同年4月からは連結相手をオハフ33 270から改造のスヤ32 3に変更して引き続き使用されましたが、昭和61年10月、スヤ32 3と共に廃車となりました。



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