大形木製客車 (ナシ20300後期形 他)


■ナシ20300後期形(ホワシ20890)


PW-1312 T 台車別・トータルキット
2011年10月発売
\5,880 (本体 \5,600)
SPW-1312 A ホワシ20890 黒
(※車体色の「黒」は、ぶどう色1号

黒の中間的色調になります)
登場時 ■真空制動
■幌は旧形
■標記類は旧方式
2011年11月以降
発売予定
\24,150
(本体 \23,000)
(当店のみ販売)
B ナシ20300後期形 ぶどう色1号 昭和4年以降 ■空気制動
■幌は一般的形状

【2012.02.28更新】
木製客車キット説明書について追記
(オイテ27000,スロネ27300,ナシ20300後期形)
お手数をかけますが、上記3種類のキット組立の際、下記のように修正をお願いいたします。

(1)オイテ27000,スロネ27300
『組立12 TR71台車の取付』で、床上に挟むワッシャー(真鍮板 t0.3)は、3枚ではなく、2枚にしてください。

(2)スロネ27300,ナシ20300後期形
室内仕切 車端部に付く仕切が、車体内板の上部に干渉するので、下のいずれかの図のように切欠いてください。
(右下図のほうが容易ですが、この場合でも、車体を組んだ状態で真横から見ても、側窓から切欠いた部分は見えません)

ナシ20300後期形の調理室仕切の場合、切欠の幅は左上図の場合で6ミリ以上必要になります。


製品の特徴
■大形木製客車の和食用食堂車ナシ20300形のうち、710ミリ幅窓となった後期形を模型化。(ホワシ20890→ナワシ20890→ナシ20300(20302〜20316))
■調理室や車端部物置などの仕切を再現。
■和食堂車の特徴の、窓際に配置されたテーブルや丸椅子を真鍮エッチング板で再現。
■調理室通路窓に取付けられていた、側窓の保護棒はキットのみ洋白エッチング板製で付属。

(※以下は全種共通の仕様)
■車体・妻板・明り窓・床板・車内仕切は真鍮エッチング板製。
 床下のトラスロッドは洋白エッチング板製。
 ベンチレーター・一部床下機器はプラパーツ。
■床下は、1枚の部品にデッキ下部ステップや側板下の台枠を表現し、外見を損なわずに組立を容易化。
■床下機器は、登場当初の真空制動と、空気制動化後を選択可能。(真空制動機はエッチング板による簡略表現)
■妻板は幌の新旧に対応させるため、2種類が付属。
■旧タイプの幌を再現するための部品付属。
●大形木製客車各製品は、床板外側にトラスロッドが付くため、通過曲線はR280以上が推奨となります。
 ただし、R243でも、トラスロッドに台車が若干接触しつつも通過可能で、台車側の梁表現部を少し削ることで、より曲線通過が容易となります。
●20メートル級用プラ製二重屋根を使用しているため、キットは切継加工で短縮する必要があります。
完成品は台枠の標記が省略となります。

[別途購入品](全種共通)
GM製
 ●TR11台車
当社製
 ●KP-096 木製客車インレタ1
 ●KP-065 等級標記他インレタ


 ナシ20300形は、大正11〜13年(1922〜1924年)にホワシ20880形・ホワシ20890形として計15両が製造された和食提供用の食堂車です。いずれも、食堂には窓に沿う形で長テーブルと丸椅子が設けられていましたが、大正13〜14年(1924〜1925年)製の和食堂車ナワシ20850形(→ナシ20350形)では、洋食堂車オシ28670形(→オシ27700形)などと同様の、4人掛けと2人掛けテーブルの組み合わせに変更されたため、旧来の室内配置の和食堂車としては最後の形式になりました。なお、ホワシ20880形は、側窓が610ミリ幅で食堂定員30人でしたが、ホワシ20890形では調理室が拡大されたために食堂定員は28人に減少し、側窓は710ミリ幅となったため、両者は全く異なる外観となりました。
 ホワシ20880形とホワシ20890形の形態区分は下記の通りです。
●大正11年(1922年)製 ホワシ20880形(20880〜20882) 610ミリ幅窓、食堂定員30人、出入台4ヶ所のうち3ヶ所に扉あり、下降窓、通路窓に保護棒あり、雨樋は下屋根の中間
●大正11年(1922年)製 ホワシ20890形(20890〜20894) 710ミリ幅窓、食堂定員28人、出入台は4ヶ所全てが物置、下降窓、通路窓に保護棒あり、雨樋位置は不明
●大正12〜13年(1923〜1924年)製 ホワシ20890形(20895〜20901) 上昇窓、通路窓の保護棒なしと推定、雨樋は標準的位置、その他は大正11年製ホワシ20890形と同様

 ホワシ20880形・ホワシ20890形の登場後、大正13年(1924年)11月には重量記号が変更されてナワシ20880形・ナワシ20890形となり、さらに昭和3年(1928年)10月の称号改正の際に、両形式ともナシ20300形に形式変更されて、ナワシ20880形はナシ20300・20301に(1両は関東大震災で廃車のため2両)、ナワシ20890形はナシ20302〜20306(下降窓)・20310〜20316(上昇窓)となりました。
 これらの和食堂車は、特急3・4列車(後の「櫻」)や急行列車で使用されましたが、特急3・4列車の食堂車は、ナワシ20850形(→ナシ20350形)に置き換えられ、さらに鋼製客車の登場により、急行に連結の木製食堂車の置換えも進められ、用途を失ったナシ20300形は昭和7年(1932年)2月〜6月に三等車ナハ21950形に改造されて形式消滅しました。





■オハニ25500(ホハニ27050)



PW-1386 T 台車別・トータルキット
2011年10月発売
\5,880
(本体 \5,600)
SPW-1386 A ホハニ27050
黒・赤帯
(※車体色の「黒」は、ぶどう色1号

黒の中間的色調になります)
登場時 ■テールライト1ヶ
■真空制動
■幌は旧形
■標記類は旧方式
2011年11月以降
発売予定
\25,200
(本体 \24,000)
(当店のみ販売)
B オハニ25500
ぶどう色1号・赤帯
昭和4年以降 ■テールライト1ヶ
■空気制動
■幌は一般的形状
C オハニ25500 ぶどう色1号 塗色は昭和15年以降
(尾灯は21年以降)
■テールライト2ヶ
■空気制動
■幌なし

製品の特徴
■大形木製客車の三等荷物車、オハニ25500形を模型化。(ホハニ27050→オハニ27050→オハニ25500)
■便所・荷物室などの仕切を再現。
■初期車の側窓に取付けられていた、側窓の保護棒は洋白エッチング板製で付属。(実車は後に撤去)
■その他の特徴はナシ20300と同一。

  オハニ25500形は、大正11〜15年(1922〜1926年)にホハニ27050・オハニ27050形として計150両が製造された三等荷物車で、従来の中形の三等荷物車ホハニ27000形(→ナハニ15800形)の車体幅と高さを拡大したような形態となっていました。向かい合わせの固定式腰掛の2組に対して側窓が3枚並ぶ形態や、室内の配置も同様でしたが、車体幅が拡大されたために腰掛幅が915ミリから990ミリに拡大されるなど、大幅に設備が改善されました。また、屋根については従来と同じ二重屋根でしたが、通風器は従来の水雷型に代わってガーランド形が採用されました。
 ホハニ27050形(オハニ25500形)のうち、大正11〜13年(1922〜1924年)製造の35両は、従来と同様の下降窓でしたが、大正13〜14年(1924〜1925年)製造の115両は上昇窓に変更されました。また、この他にも、窓保護棒の有無などに差異が生じています。
 ホハニ27050形の登場後、大正13年(1924年)11月には重量記号が変更されてオハニ27050形となり、さらに昭和3年(1928年)10月にはオハニ25500形に形式変更されました。その後、昭和15年(1940年)には23両が三等郵便車オハユ25300形(オハユ25320〜25342)に改造されましたが、このうち北海道用については、車掌室が拡大されて窓配置も変更されました。

 大形木製客車は、全体で約3900両が製造されるなど、それまでにない大量増備が行われて当時の主力形式となり、全国の急行や普通列車で使用されました。その後は鋼製客車の増備に伴って急行運用は減少しましたが、普通列車では主力として使用され続け、戦後になっても、ローカル線だけでなく、幹線の普通列車でも使用されるなどして健在でした。しかし、戦中戦後の酷使もあって老朽化が進んでいたため、昭和24年(1949年)以降、木製客車の台枠を利用する鋼体化客車(オハ61形など)への改造が進められ、昭和31年(1956年)までに国鉄の営業用車両としては姿を消しました。





■オユ26000(ホユフ27500)


上……ホユフ27500 黒・帯あり
下……オユ26150 両引戸 ぶどう色1号(戦前)

PW-1391 T 台車別・トータルキット
2011年10月発売
\5,880
(本体 \5,600)
SPW-1391 ホユフ27500 黒・帯あり
(※車体色の「黒」は、ぶどう色1号

黒の中間的色調になります)
※本製品は、デカール貼付後に
クリアー塗料を吹き付ける関係で、
他車と艶に差が出る場合もありま
す。
登場時 ■テールライト1ヶ
■真空制動
■幌は旧形
■標記類は旧方式
2011年11月以降
発売予定
\26,250
(本体 \25,000)
(当店のみ販売)
オユ26000 ぶどう色1号 昭和4年以降 ■テールライト1ヶ
■空気制動
■幌は一般的形状
2011年11月以降
発売予定
\25,200
(本体 \24,000)
(当店のみ販売)
C オユ26150 両引戸
ぶどう色1号(戦前)
昭和10年以降のオユ26150
D オユ26150 両引戸
ぶどう色1号(戦後)
昭和21年以降のオユ26150
(尾灯は21年以降)
■テールライト2ヶ
■空気制動
■幌なし

製品の特徴
■大形木製客車の郵便車、オユ26000形を模型化。(ホユフ27500→オユフ27500→オユ26000)
 ほぼ同型のオユ26150形としても製作可能。(ホユフ27500→オユフ27500→オユ26150)
■登場時の、白帯に赤の細線2本を再現するためのデカール付属。
■独特の形状の、郵便受渡機取付用の片引戸を再現。
 また、昭和10年に両引戸に改造された後のオユ26150としても製作可能。  
■便所・車掌室などの仕切を再現。
■側引戸両側の戸袋部格子を再現。
■その他の特徴はナシ20300と同一。


 オユ26000形は、大正12年(1923年)にホユフ27500形(27506〜27520)として15両が製造された郵便車で、ほぼ同型のオユ26150形も同じ年にホユフ27500形(27500〜27505)として6両製造されました。この2形式の主な相違は、前者は上昇窓、後者は下降窓だったことと、吹寄(窓柱)幅がわずかに異なる(細い吹寄の幅が前者は70ミリ、後者は80ミリ)ことですが、後者のうち、ホユフ27502(→オユ26152)は関東大震災で焼失したため、大正13年(1924年)に上昇窓の車体で製造し直されました。この車両の便所上通風器位置は、同じ上昇窓のホユフ27506〜27520(→オユ26000形)とは異なっていました(ホユフ27500〜27505→オユ26150形と異なっていたかは不明です)。
 ホユフ27500形の登場後、大正13年(1924年)11月には重量記号が変更されてオユフ27500形となり、さらに昭和3年(1928年)10月の称号改正で、上昇窓の車両(オユフ27502以外)がオユ26000形に、下降窓の車両はオユ26150形に形式変更されました。その後、昭和10年(1935年)にオユ26150形の片引戸が両引戸に改造され、昭和11年(1936年)にはオユ26000形のうち4両が荷物車オニ26750形(26755〜26758)に改造されて、車掌室に隣接する窓が埋められ、片引戸は幅の狭い両引戸(前位側両引戸と同じ幅)となりました。また、昭和25〜26年(1950〜1951年)にも4両以上が荷物車化改造されています。

 オユ26000・オユ26150形が形式消滅した時期は不明ですが、オユ26152は昭和24年(1949年)10月に廃車され、オユ26006は昭和25年(1950年)5月、オユ26150・26155は昭和25年(1950年)3月、オユ26151・26154は昭和27年(1952年)3月に鋼体化されました。





■オニ26600(ホニ27830)



PW-1396 T 台車別・トータルキット
2011年10月発売
\5,880
(本体 \5,600)
SPW-1396 ホニ27830 黒
(※車体色の「黒」は、ぶどう色1号

黒の中間的色調になります)
登場時 ■テールライト1ヶ
■真空制動
■幌は旧形
■標記類は旧方式
2011年11月以降
発売予定
\25,200
(本体 \24,000)
(当店のみ販売)
オニ26600 ぶどう色1号(戦前) 昭和4年以降 ■テールライト1ヶ
■空気制動
■幌は一般的形状
C オニ26600 ぶどう色1号(戦後) 昭和21年以降
(尾灯は21年以降)
■テールライト2ヶ
■空気制動
■幌なし

製品の特徴
■大形木製客車の荷物車、オニ26600形を模型化。(ホニ27830→オニ27830→オニ26600)
■車掌室などの仕切を再現。
■側引戸両側の戸袋部格子を再現。
■その他の特徴はナシ20300と同一。


 オニ26600形は、大正11〜13年(1922〜1924年)にホニ27830形として83両が製造された荷物車で、従来の中形の荷物車ホニ27800形(→オニ16600形)の車体幅と高さを拡大したような形態となっていました。屋根については従来と同じ二重屋根でしたが、通風器は従来の水雷型に代わってガーランド形が採用されました。
 この形式は2つのグループに大別でき、大正11年(1922年)製の40両は下降窓で、雨樋は当時の車両限界に収めるために下屋根の中間に取付けられており、大正12〜13年(1923〜1924年)製のホニ27870以降の43両は、上昇窓となると共に、雨樋は側面(幕板)上部に付く一般的な形態となっていました。
 ホニ27830形の登場後、大正13年(1924年)11月には重量記号が変更されてオニ27830形となり、さらに昭和3年10月にオニ26600形に形式変更されました。
 なお、オニ26600形によく似た外観の形式として、オニ26500形(←ホニ27770形)30両が存在しましたが、これは窓配置がオニ26600形と酷似しているだけでなく、車体高さも大形客車と同一ながら、車体幅は中形客車と同じという車両でした。

 オニ26600形などの大形木製客車の荷物車は、戦後になっても普通列車だけでなく、昭和25年の急行201・202列車(後の「みちのく」)にも連結されるなど、運用が続けられましたが、昭和24年(1949年)以降、木製客車の台枠を利用する鋼体化客車(オハ61形など)への改造が進められ、昭和31年(1956年)までに国鉄の営業用車両としては姿を消しました。




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