客車の製品 29

■スロ60 1〜 近代化改造車
P-116 T 台車別・トータルキット 2006年6月発売
\4,200
(本体 \4,000)
A ぶどう色1号・青1号帯 登場時(昭和32年) 「なにわ」「銀河」「明星」「伊勢」
「北斗」「十和田」「津軽」など
2006年7月発売
\15,225
(本体 \14,500)
B ぶどう色2号・青1号帯 昭和34年頃以降 「なにわ」「明星」「阿蘇」「十和田」「北陸」など
「かもめ」(所定外)
C ぶどう色2号・淡緑帯 昭和36年頃以降 「阿蘇」「天草」「しろやま」
「佐渡」「越路」「北陸」など
D 青15号・淡緑帯 昭和39年頃以降 「阿蘇」「天草」「しろやま」など


ぶどう色1号・青1号帯 公式側


ぶどう色1号・青1号帯 非公式側

デッキ側妻面
原形のスロ60と較べ、縦樋が妻板横から妻面に移設されて
いる点が異なりますが、妻板はキノコ状の形態のままで、
スロ60の特徴は残されています。

非デッキ側妻面
この側の縦樋も側面から妻面に移設され、他の
切妻優等車に似た形態となりましたが、点検蓋は
右側となっています。


製品の特徴
■昭和32年〜33年にアルミサッシ化されたスロ60 1〜30(13〜18欠番)を製品化。
■縦樋が妻面に移され、改造前と異なる独特の形態となったデッキ側妻面や、窓が開閉可能な扉に取り替えられた点など、
 近代化改造車の特徴を再現。
■側板・妻板は真鍮エッチング板、屋根・床板がプラパーツの構成。
■キットの窓枠は車体と別部品で塗分けが容易。


[別途購入品(キット)]
 GM製 TR47台車
 当社製 優等座席・44系用インレタ (スロ60 23用 1輌分入)
      等級標記他インレタ (窓下の等級標記、ぶどう色1号のみ必要)
      リクライニングシート 取付可


 スロ60形は、2等車で初のリクライニングシートを備えた特別2等車として、昭和25年に30輌が登場した形式で、現在のグリーン車の原形となった形式です。
当時の2等車は、最新のオロ41形で転換クロスシートをシートピッチ1040oで備え、定員は60名でしたが、スロ60形ではリクライニングシートをシートピッチ1250oで備え、定員は44名となりました。このように従来の2等車との設備の格差が大きいため、スロ60形は当初1等車スイ60形として計画されていましたが、最終的には2等車とすることになり、従来の2等車と区別するために特別2等車(特ロ)の名称となりました。
スロ60形は、形式の60が示す通り、木造車の台枠を流用して車体を新製する鋼体化客車でしたが、台車はスハ42用に用意していたTR40と、新製の同台車を使用しています。また、当初は1等車として予定されていたため冷房準備工事が行なわれており、天井裏には風道を通し、屋根には空気調和器点検用の蓋が2ヶ所設けられていましたが、2等車に変更されたために不要となり、空調蓋は後の近代化改造の際に撤去され、結局これらの設備は活用されることなく終わりました。
スロ60形は特急「つばめ」「はと」で使用を開始し、昭和26年には、これらの特急用の食堂車マシ35・マシ36形が登場しましたが、いずれも乗客専務車掌室を備えていないため、隣に連結されるスロ60形にそれを設けることとなり、同年3・4月にスロ60 13〜18の荷物保管室に窓を設けて乗客専務車掌室に改造し、スロ60 113〜118となりました。
 昭和31年には「つばめ」「はと」のスロ60形はスロ54形に置換えられて以後は急行用となりました。昭和32・33年には、蛍光灯を備えるスロ54形やナロ10形と較べ、白熱灯照明のスロ60形は見劣りが目立つため、室内灯の蛍光灯化や側窓のアルミサッシ化などの近代化改造が行なわれ、この際にデッキ扉の取替え、側面に取り付けられていた縦樋を妻面に移設、屋根の空調蓋も撤去し、ベンチレーターを追加するなどの変更も行われています。
 スロ60形の近代化改造後は、急行「なにわ」「銀河」「明星」「伊勢」「十和田」「北斗」「津軽」などで使用されましたが、昭和34年から使用を開始した電気暖房設置の対象とはならなかったため、後年は急行「阿蘇」「天草」「しろやま」などの九州方面の急行での運用が主体となり、その他に電暖の不要な上越線の急行「佐渡」「越路」「北陸」でも使用されました。その後、昭和41年から本格化した1等車(旧特別2等車)の冷房改造の対象から外れたために、急行に使用されていた車輌も定期運用はなくなって団臨用となり、昭和42・43年に27輌がマニ36・マニ37形に改造、3輌が廃車となって形式消滅しました。

○「つばめ」「はと」で使用されていた頃のスロ60も、「P-114 スロ60 1〜 原形窓車」「P-115 スロ60 113〜 原形窓車」として発売中となっております。


編成例
■昭和37年6月〜  急行「佐渡」 701列車 / 「越路」 704列車 [上野→新潟/新潟→上野(上越線経由)]
 青森方面→
オハニ36 スロ60
近代化
スロ51
近代化
オハシ30
1〜
ナハ10 オハ46
元スハ43
オハ46
元スハ43
オハ46
元スハ43
オハ46
元スハ43
オハフ45
  完成品発
売中

キットはオ
ハ35戦前
標準形とし
て発売中

またはオハ36  
発売中 発売中 オハ46(元スハ43)はスハ43として発売中
●牽引機はEF58
●客車の塗色はぶどう色2号(ロザは淡緑帯)
※06.06.26、オハシ30次位をナハ10に訂正しました(説明書は誤りです)




■オロフ61(オロ61後期形)


P-118 T 台車別・トータルキット 2006年6月発売
\4,200
(本体 \4,000)
A オロフ61 
ぶどう色2号・淡緑帯
オロフ61 
登場時(昭和37年)
テールライト付(円板あり)
非公式側デッキ 落し窓付扉
「北上」など テールライト点灯
2006年7月発売
\16,275
(本体 \15,500)
B オロフ61 
青15号・淡緑帯
昭和39年頃以降 テールライト付(円板なし)
非公式側デッキ 落し窓付扉
「出雲」「津軽」など
C オロ61後期形 
ぶどう色2号・青1号帯
オロ61後期形 
登場時(昭和35年)
テールライトなし 「八甲田」「津軽」など 2006年7月発売
\15,225
(本体 \14,500)
D オロ61後期形 
ぶどう色2号・淡緑帯
昭和36年頃以降 「みちのく」「十和田」「いわて」
「おいらせ」「八甲田」「鳥海」
「おが」「津軽」「白山」「北陸」
「羽黒」「日本海」「立山」など
E オロ61後期形 
青15号・淡緑帯
昭和39年頃以降



オロフ61 ぶどう色2号・淡緑帯 公式側


オロフ61 ぶどう色2号・淡緑帯 非公式側
オロフ61の、この側のデッキ扉は落し窓付扉となっています。
オロ61の場合、公式側と同じ扉となります。

オロフ61 デッキ側妻面

オロフ61 非デッキ側妻面


製品の特徴
■昭和34〜37年にオハ61を改造して登場したオロ61の内、多数派のオロ61後期形(2022〜2096・101〜115)と、
 緩急車形のオロフ61 1〜2009・2011〜2015を製品化。
■便所・洗面所窓が全てHゴム支持となった点など、発売中のオロ61前期形との差異を再現。
■完成品のオロフ61はデッキ側のテールライトが点灯。
■キットはオロフ61・オロ61後期形のいずれにも製作可(両者の妻板が付属)。オロフ61用の落し窓付デッキ扉窓枠も付属。
■側板・妻板は真鍮エッチング板、屋根・床板がプラパーツの構成。 
■キットの窓枠・Hゴム(貫通扉以外)は車体と別部品で塗分けが容易。


[別途購入品(キット)]
 GM製 TR50台車
 当社製優等座席・44系用インレタ (オロ61 2023用 1輌分入 ※現在の所オロフ61用は未発売です)
      リクライニングシート 取付可


 オロ61形は昭和34〜37年に、普通列車の気動車化などで余剰となったオハ61形から111輌が改造された形式で、当時の急行・準急に使用されていたオロ35・オロ40・スロ43形などのリクライニングシートを備えていない2等車(当時)を置換えるために登場しました。
 改造は、種車の車体を片デッキ化して便所・洗面所を追加、窓枠はアルミサッシに交換し、車内にはリクライニングシートを取付けるなどの内容で、客室の窓配置は状来のままとされたため、定員は当時の標準的な2等車のスロ54形などの48名より少ない44名となり、窓と座席との位置関係も完全には一致していません。台車はTR52A(TR50とほぼ同型)に交換して乗り心地を改善しています。オロ61形は上野口での運用を主体に考えられたため、全111輌のうち96輌が当初より電気暖房付で登場し、電暖なしで登場した車輌も昭和37年に8輌が電暖付に改造されています。なお、オロ61の初期形(2001〜2021)はデッキ側の便所・洗面所窓はアルミサッシとなっていましたが、その後の増備車はHゴム支持の窓に変更されています。
 オロ61形の登場後は、急行「みちのく」「十和田」「八甲田」「津軽」「白山」「北陸」など、昭和30年代後半以降の上野口の客車急行の大部分に使用されたほか、急行「立山」「日本海」や準急「穂高」「きそ」など、各地の急行・準急列車でも使用されました。
 昭和37年には、急行「北上」用として、オロ61形の乗務員室を車掌室に変更したオロフ61形が、オハ61形からの改造で3輌登場しました。その後、昭和39・40年にはオロ61形からオロフ61形へ12輌が改造され(このうち1輌のみオロ61初期形改造)、この際に電暖なしだった車輌には取付工事が行われたため、オロフ61形は全車が電暖付となっています。
 昭和42・43年にはオロ61・オロフ61形のいずれも冷房取付工事を受けてスロ62・スロフ62形となり、低屋根化のうえ屋上冷房を設置されたため形態が大きく変化しました。冷房改造後も客車急行の1等車(のちのグリーン車)の主力として使用されましたが、スロ62形は昭和58年までに、スロフ62形は昭和59年までに廃車または改造されました。スロ62・スロフ62形の他形式への改造車としては、昭和46〜54年に和式客車となったスロ81・スロフ81形が存在し、このうちの6輌は国鉄分割民営化後も引き継がれ、最晩年にはオロ61形当時を思わせるぶどう色2号に淡緑帯の姿となりましたが、平成3年に廃車されました。
 
 本製品は、オロフ61・オロ61形のうち多数派の、デッキ側便所・洗面所窓がHゴム支持のグループを模型化、妻板はオロフ61・オロ61用が付属し、オロフ61用の落し窓付デッキ扉窓枠も付属します。本製品に台車は含まれませんので別途、GM製TR50台車をお求めください。

○デッキ側の便洗所窓がアルミサッシとなっているオロ61 2001〜2020は、「P-103 オロ61初期形」として発売中です。


編成例
■昭和37年10月〜  急行「みちのく」 11・12列車 [上野−青森(常磐線経由)]
 青森方面→
マニ60
など
オロ61
後期形
オロ61
後期形
スシ48
11〜・1〜
スハ43 スハ43 スハ43 スハフ42 スハ43 スハ43 スハフ42 スハフ42 スハフ42
 マニ60
101〜・
351は発売
  スシ48 11
〜は完成
品発売中

同キットは
マシ49とし
て発売中
  上野−仙台 仙台−青
仙台−盛
発売中 発売中
●牽引機はEF80・C62・C61など
●客車の塗色はぶどう色2号(ロザは淡緑帯)
●客車は全て電暖車

■昭和37年10月〜 急行 「北上」 13・14列車 [上野−青森(常磐線経由)]
←上野方面

マニ60
など
オロネ10 オロネ10 マシ35
11〜
近代化
オハネ17 オハネ17 オハネ17 オハネ17 オハネ17 オハネ17 スハ43 スハフ42 オロフ61
マニ60
101〜・
351は発売
  または
オシ16
  上野−仙
他社完成品
色違いあり
マシ35は
発売中
発売中
●牽引機はいずれもEF80・C62・C61など
●客車の塗色はぶどう色2号(ロネは淡緑帯)
●客車は全て電暖車





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 客車の製品リスト (PEシリーズ [丸屋根])
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